塗料の耐候性と耐候性試験について解説!期待耐用年数とは?・・・の件 

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目加田 充規

目加田 充規

工事管理部

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外壁塗装をお考えの皆様。こんにちは。

外壁塗装を行うにあたって考えないといけない事、お願いする業者さんと打合せする中で決めないといけないことなど

様々ありますが・・・

外壁塗装を行う際に決めなければならない事柄の一つが【塗料】です。

様々な塗料が開発され、塗料ごとに様々な効果がある中、

塗料選びで一番気になるのは、「どれだけの年数もつのか?」「この塗料で塗装したら次の塗替え時期は何年後?」

という事ではないでしょうか?

 

どーも!

名古屋市の外壁塗装専門店

東海工芸の目加田です!

 

どのくらい持つのか?という指標を表す時には、総称して塗料の耐候性と呼ばれています。

また、その耐候性を図るために、各メーカー事で試験を行い、

耐候性の根拠として促進耐候性試験結果をカタログ等に掲載しています。

 

また、メーカーによっては試験結果に基づいた期待耐用年数なる指標を公示しています。

促進耐候性試験はその塗料の価値に直結するものですが、その試験方法や基準はメーカーや製品によってさまざまです。

 

今回はそんな耐候性を割り出すために使用する促進耐候性試験についてと、期待耐用年数について等

また耐候性と期待耐用年数が同じ様に思われがちですが、それぞれの定義についても解説していきます。

耐候性??耐久性??

一般的に「物質・素材などの耐久性というのは、その素材や材料、目的や性質などによって試験方法、調査方法、計測方法など千差万別です。

プラスチックなのか、外壁材なのか、自動車部品なのか、などそれぞれによって基準も違うし試験方法も違うという事です。

 

外壁塗装で使用する塗料における耐久性とはどのような定義なのか?というと

塗料の劣化を引き起こす最大の要因は太陽光の紫外線であり、
温度、湿度、降雨、大気汚染物質なども塗膜の分子構造を破壊し、色あせなどの色調変化やチョーキングをもたらします。

よって天候や環境などに左右される点が大きいため耐候性と呼ばれます。

 

よって日本産業規格(JIS規格)では、耐候性を以下のように定義しています。

「耐候性とは、材料を光、風、雨などの屋外条件下で、暴露した場合の耐久性のこと(JIS K 6900)」

 

そんな耐候性を測るために試験を行うのですが、

長期間試験体を屋外にさらし続けて性能を確認するのはとても時間がかかります。

そこで、太陽光、温度、湿度、降雨などの屋外環境条件を人工的に再現して試験体の劣化を促進させ、

製品・材料の寿命をある程度予測できるようにした試験が「促進耐候性試験」になります。

耐候性試験とは?種類?

促進耐候性試験機はいくつかの種類があり、試験時間の算出方法などが異なります。
また、各メーカー今でも製品によっては、屋外の自然環境の元、状態の変化を確認する「屋外曝露試験」も併用して行っています。
それぞれの耐候性試験をご紹介します。

屋外暴露試験

試験体を実際の自然環境下にさらして状態の変化を確認する方法です。

劣化を促進させるわけではないので結果が分かるまで何年もかかる試験方法です。

日本列島は南北に長くいため、地域によって環境条件はバラバラです。

日本の標準的な気候である千葉県や、北は北海道、南は宮古島等

低温地域や高温多湿、塩害等、様々な地域に分けて暴露試験を行う場所があります。

サンシャインウェザーメーター

60年以上の試験実績の歴史がある標準的な試験方法です。
促進倍率は屋外曝露の数倍~十数倍程度です。

塗料やプラスチックの耐久性の向上に伴い、もっと促進倍率の高い試験機も登場していますが、それまでに蓄積された過去のデータとの対比が容易であることもあり、今でも根強く使用されています。

キセノンランプ

他の試験機は紫外線強度の非常に高い光源を使用して、試験体を劣化させることに特化しているのに対し、キセノンランプは自然光に最も近い光源の試験機です。

キセノンランプでの耐候性試験は、屋外暴露の10~30倍程度促進倍率です。

その自然環境の再現性と信用性の高さから、JIS A 6909(建築用仕上塗材)での耐候性区分に採用されています。

画像出典:スガ試験機株式会社

メタルハライドランプ(スーパーUV、SUV)

他の促進機に比べ促進倍率が桁違いであるため、無機塗料など高耐候塗料促進試験に有効です。

しかしランプの照射強度が極めて高く、他の試験方法にくらべて試験品質の若干のバラツキは避けられません。
また、試験スペック(設定)の違いによる不統一も、メタルハライドランプの規格化が進まない要因となっています。

促進倍率は屋外曝露の100倍程度ですが、照射強度やサイクルの設定によって、促進後の光沢保持率や色差はそれ以上の倍率となって現れます。

画像出典:岩崎電気株式会社

促進耐候性試験をみるポイント

促進耐候性試験はその機種やメーカーはもちろん、試験する側が強度や試験サイクルなどを任意で設定可能であるため、それらを統一して正確に比較することは実は容易ではありません。

その結果の評価項目も、色差、光沢保持率(%)、その他劣化具合、とメーカーの基準や製品により異なります。

そこを理解したうえで、「使用する機種は何か」「比較対象は何か」「評価の対象は色差なのか光沢保持率なのか」などを明確にすれば、塗膜の性能を相対的に評価する有効な目安と言えます。

期待耐用年数の出し方

こちらは耐候性試験の記録です。(メタルハイドロランプ・スーパーUVテスターの場合)

試験結果を耐用年数に換算するには、試験時間と促進倍率から求めます。
促進試験結果を公表しているメーカーの間でも目安としている倍率は異なりますが、スーパーUVテスターの場合はおおむね40時間の試験を実曝1年(本州内陸部)に換算しているグラフが多いようです。

 

試験片作成時の鏡面光沢度を計測し、それを100%とします。
促進試験時間(横軸)の経過によってどのくらい艶が落ちていったかを折れ線グラフで表しています。

JIS A 6909の耐候形(1種~3種)基準となっているのは光沢保持率80%です。

期待耐用年数も、この80%を基準としているところが多いです。
グラフではウレタン塗料で200時間余り、シリコン塗料でも400時間で80%まで艶が落ちていることがわかります。

80%まで光沢を保持できた時間から、1年に相当する時間(この試験の場合40時間)で割ると
・シリコン塗料 400時間÷40 = 10
・フッ素塗料 600時間÷40 = 15
となります。
この数字が今回の試験結果から導き出された「期待耐用年数」となります。

 

 

 

また、40%~30%まで落ちていくと次第にチョーキングが始まっていくと考えます。

他の塗料と比較することで、その塗料がどのくらいの耐候性をもっているかが相対的に把握しやすいかと思います。

期待耐用年数の考え方

上記のグラフはあくまでメタルハイドロランプ・スーパーUVテスターを使用した場合のグラフであり

各メーカーで使用している検査機器も違えば期待耐用年数の算出も異なります。

 
促進耐候試験ですら、実際のお家へに使用した場合と比べると日照時間角度の差や環境(塩害、積雪等)によっても誤差は出ますし
各メーカーごとに出荷している色調によっても変わってきます。
確実な施工方法をとらなければ当然期待通りの結果は出ないですし
塗装前の外壁や屋根の状態によっても期待耐候年数の値に変動があるかと考えます。あくまでも、耐用年数は保証値ではなく、施主様にわかりやすく伝えるための、ひとつの「目安」として考えていただければと思います。期待耐用年数=耐候性ではありませんので期待耐用年数が過ぎたから、すぐに塗替えが必要という訳ではありません。
ライフサイクルコストやその他内装・設備の劣化状況を踏まえてご検討いただく事かと存じます。

結局・・・

結局、なにが言いたいかというと・・・

 

期待耐用年数と耐候性では意味が違います。

期待耐用年数は塗料メーカーにより測定方法は様々で、判断基準も様々です。
同じシリコン塗料でもメーカーによって15年もつ物もあれば、18年もつ物もあります。
あくまで目安として考えてください。

 

って事です!

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